バラ栽培を始めた時から育てているグラハムトーマスが咲きました。イングリッシュローズ好きなら誰でも知っているバラの殿堂入りしたグラハム・トーマス。いや、ロザリアンなら誰でも知っていると思います。それほどまでに有名なバラです。
鉢植えグラハム・トーマスの仕立て方
イングリッシュローズを代表する名花のグラハム・トーマスですが、イギリスに比べて気温の高い日本では大型化します。大型化するのを良いことにつるバラとして育てたりしましたが問題もありました。鉢植えのグラハム・トーマスはどう仕立てたら良いのか考えてみました。
グラハム・トーマスとの出会い
グラハム・トーマスとの出会いは、ミニバラについて調べている時にちょくちょく目にしていました。そして改めてバラについて調べだした時に衝撃を受けたバラです。それまでの私は植物に興味があるわけでもなく、バラと言えば高島屋の包装紙にあるアレ(剣弁高芯咲き)を思い浮かべ、色だって赤かピンクか白というイメージでした。はじめてグラハム・トーマスを見た時の感想は
- なんで黄色いの?
- なんでギュウギュウなの?
- なんでキレイなの?
でした。すぐに虜になったのは言うまでもありません。
しかしイングリッシュローズはお高くて、おいそれと手を出せませんでした。正確に言うとデビッド・オースチン社のイングリッシュローズです(よくわからないイングリッシュローズというのもあって、それは¥2,980でした)。しかし今調べてみると正式にはイングリッシュローズと言うのはデビッド・オースチン社のバラのことを指すようです。ではあれは一体何だったのでしょうか。鉢にデビッド・オースチン社のロゴはありませんでしたし、便乗商法のなんちゃってイングリッシュローズだったのでしょうか。それはさておき、イングリッシュローズは当時どこでも¥3,980だったと思います。それでもバラのシーズンに入る頃にはついに¥2,980に値下がりしました。そうなったら迷うことなく即買いです。すごく嬉しかったったのを今でも覚えています。だって毎週のように値段を見ていたのですから。
開花したグラハム・トーマスとの対面
家に帰ってすぐに8号スリット鉢に植え替えをして育て始めました。写真で私を魅了したグラハム・トーマス。実際の花はどんな色なのか。どれくらいの大きさになるのか。毎日水やりをしながらそんなことばかり考えていましたから、日に日に妄想は膨らんでいきました。そしてついに開花の日を迎えます。
- なんて色だ
- なんて香りだ
しばし見とれてしまったのは言うまでもありません。
1.なんて色だ
写真でも十分に綺麗な黄色ですが、実際のグラハム・トーマスの黄色は一言では言い表せません。咲き始めは濃い黄色ですがとても深みがあります。山吹色というかなんというか。イングリッシュローズなのに和の色なんですよね。落ち着いた色と言うか。洋の黄色、つまりイエローとは違うんですよ。派手さが無いんです。あぁ難しいな。自分の語彙力のなさが残念・・・。
2.なんて香りだ
これは本当に驚きました。だって紅茶の香りがするんですよ!?これも凄い衝撃でした。もはや自分の知っている植物の香りではないのですよ。植物ではない香りなもんだから言葉を失いました。今では「あ、ティーの香りね」なんて言ってますけど。写真で虜になり、実物を目の前にして唖然としてハマってしまいました。もしかするとこの衝撃こそ、バラ栽培が私の趣味になった一番の理由かもしれません。たぶん普通にピンクの花でバラらしい香りだったらここまでのめり込んでいなかったかもしれません。
グラハム・トーマスのつるバラ仕立て
数回返り咲き、夏以降、花をつけることはありませんでした。しかし物凄くシュートが伸び始めました。あちこちからシュートが出てきてビュンビュン伸びるのです。支柱を立てますが追いつかず、もはや小さな柳状態です(言い過ぎかな?)。グラハム・トーマスは大型化するようでしたので、翌年の剪定は浅めにして大きくすることに専念しました。そして翌3年目。満を持してつるバラとして壁面に誘引し、そして迎えた開花はピエール・ドゥ・ロンサールに負けないくらいの花付きで、それはそれは見事な景色を作り出してくれました。しかしただ一つ問題がありました。つるバラとして育てたのですが、グラハム・トーマスはシュラブのバラでつるバラではありません。ですのでつるバラと違って芽吹いてから花が咲くまでに50cm以上伸びますから、開花時に雨が降ったりすると花が雨を吸収しその重さで枝が下がってしまうのです。そうなると非常に見た目が悪くなるので紐で壁面に固定しなければなりません。それが唯一の問題点でした。
グラハム・トーマスが描く素晴らしい景色の代償
それから3年ほど我が家のメインスペースである玄関脇の壁面を彩ってくれたグラハム・トーマス。つるバラとして育てたためエネルギーを使い果たしたのか、その後の成長は今一つでした。短くしても元気がなく、ベーサルシュートも出なくなり主枝の世代交代ができずに枯れてしまいました。鉢植えでつるバラとして大きくすると数年は素晴らしい景色を描いてくれますが、その代償は大きいかもしれません。グラハム・トーマスは本来大型化しますので、地植えでしたらつるバラとして育てることに何の問題も無いと思います。鉢植えですとどうしても土の量が少ないですし、根が伸びるスペースも十分ではないので、つるバラとして育てるには向いていないのかもしれません。鉢植えでしたら伸びるに任せるのではなくある程度大きさを制限してあげて、大きめのシュラブにするのが良いと思います。今はその反省から剪定は強くし、枝数を増やして多くの黄色い花が咲く姿を見てみたいと思いブッシュタイプに挑戦しています。
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